Basic

 ゲームに関する基本的なことだったり、関わってないことだったり。



Key configなどの設定について
 そもそも操縦桿が左、スロットルが右というのは、コントロールパッドの形状からして仕方ないとしても、スロットルは当然押し開き式にしたいので、Throttle upをB、Throttle downをAに設定したい。Change viewは、着陸時の滑走路の確認には使えるものの、戦闘中に使ってもかえって方向感覚が分からなくなる程度なので、Yに設定して、Shootの方をより押し易いXに設定するのがお薦め。
 あと、プレイ中にエアブレーキやギアを操作した際に(ドリームキャストの十字キーは、意外と斜めに入り易いので)勝手に視点が変わってしまうのを防ぐために、View configのFlight viewでは、Cockpit以外は全てOffにしておいた方が良い。

『Hangar』のPersonal data(戦闘記録)について
 『撃墜数』にカウントされるのは『Tactical challenge』の格闘戦競技と『Free flight』のもののみで、『VS play』と『Cable play』は勿論、『Fighter pilot mission』のドローン撃墜も含まれない。なお、『Tactical challenge』でも『Free flight』でも、途中終了した場合はカウントされない。但し、ミサイルや機関砲/機関銃で撃墜したものだけがカウントされる訳ではなく、攻撃命中後のターゲット墜落は勿論のこと、マニューバキルや燃料切れターゲットの墜落などもカウントされる。
 『着艦回数』には、着艦フックを使用しなかった着艦は含まれない。こちらは着艦後に(「ナイス・ランディング!」と言われて)フックからワイヤーが外れた時点でカウントされる。なお、『着艦回数』には1バイトしか割り当てられていないため、255回でカウンターストップとなる。

 機別の回数表示にはそれぞれ2バイトしか割り当てられていないため、65535でカウンターストップとなる。また、総合記録の(『着艦回数』以外の)回数表示は65535でのカウンターストップはしないが、この数自体は機別の数の合算でしかないため、カウンターストップしている機体で回数を重ねても、総合記録の回数表示も増える事はない。


Flight logのTotal time表示について
 分数は9999分でカウンターストップするが、秒数以下はループする。


高度表示の違いについて
 HUD(Cockpit視点)の高度表示は100,000フィートまでしか表示されないが、他の視点やFlight logはそれ以上でも正常に表示される。


戦闘について
 戦闘とはいっても、長距離やヘッドオン状態でのミサイル戦は無く、敵機の後ろを取って攻撃する(とは言っても、現在では赤外線誘導ミサイルもヘッドオン状態でも誘導可能なのが殆どだけど)格闘戦なので、いかに格闘機動をするかという話になる。
 格闘戦の機動となると、大きく分けて中速機動と低速機動に分けられ、それぞれに長所と短所がある。

中速機動
 一般に500ノット前後で行う機動。多くの機体の場合、機動性を充分に生かせ、かつ、アフターバーナー点火による加速や上方向への機動も行い易い。敵ミサイルの回避に関しても、加速旋回や立体機動などによって回避の可能性が拡げられる。
 ただ、敵機との速度差も生じやすいため、機関砲/機関銃での攻撃機会は一瞬しか無いことが多かったり、オーバーシュートを起こす危険があったりする。

低速機動
 概ね200〜300ノット程度で行う機動。低速での安定性が高い機体では低いGで素早い旋回が可能なので、巴戦に持ち込んだ時に有利になり易い。
 反面、速度不足によってインメルマン・ターンなどの上方向への機動が行いにくく(可能であっても、速度不足によって舵の利きが極端に悪くなったりする)、上下方向への機動となると必然的に下方向への機動が多くなるので、常に高度には注意していなければならない。また、リーサルコーンに限らず、後方からミサイルを撃たれた場合は十分な回避運動が取れずにほぼ回避不能なので、常に機動を続けて後ろを取られないようにしなければならない。
 さらに、低速では敵機のリーサルコーンに入れたとしても機関砲/機関銃で有効な攻撃が出来るほど接近は出来ないし、射程内に入っていても敵機の旋回に対してレティクルが追いつかないということになる。

 実際に『Tactical challenge』などを行う場合は、より攻撃的な低速機動が多く使われるし、クリアも楽だろう。こうした場合に低速機動を行う際には、実際には(燃料消費も機体にもパイロットにも負担が大きいので)あまり行われないが、速度低下を防いだり機体の安定のため、アフターバーナーを吹かしつつエアブレーキを開いた状態のまま行うのが良い。
 流体力学に詳しくない人は、この「アフターバーナーを吹かしつつエアブレーキを開いた状態のまま」というのがよく分からないかも知れないが、つまりは推力と抗力が共に増加する(前と後ろから紐で引っ張られているような状態になる)ことによって、より機体が安定するということだ。
 格闘戦競技でも低速機動が役に立つが、ミサイルを撃ち尽くしてしまったら必然的に機関砲/機関銃に頼らざるを得なくなるので、中速機動が重要になるだろう。
 ただ、いずれにせよ、ヘッドオン状態で機関砲/機関銃で攻撃しようとすると、敵機も遠慮なく向かってくるので、ほぼ確実にガンデュエルとなる。こうなってしまうと、たとえ敵機を撃墜しても相撃ちになったり、あるいはどちらも当たらずに衝突してしまうことが多いので、一か八かの時以外はお薦めできる方法ではない。
 ガンデュエルになるのを防ぐためには、互いに高度が違う状態ですれ違うような軌道を取っておき、すれ違うよりも一瞬前に機首を敵機の軌道方向に振って、その軌道上へと弾をばら撒いておくという方法がある。勿論、命中精度は下がるが、安全性は高くなる。
 一方で、敵機をロックオンしたからといってすぐにミサイルを発射すれば良いというものではない。機種や敵機のパイロット技量にもよるが、リーサルコーン、あるいはそれに近い角度から発射しない限りは確実に命中はしない(実際に格闘戦競技では、横方向から発射したミサイルはほぼ命中しない)。ミサイルの装弾数にも限りがあるので、確実に命中させられる角度や、一か八かを狙う時でない限りは軽々に発射すべきではない。

ミサイルの性質とその避け方
 ミサイルの飛び方を見ていれば分かるが、このゲームのミサイルは純粋追尾航法ではなく比例航法なので、目標に対して極端に近距離、または、急な角度でない限り、極めて命中率は高い。一方で、避ける場合は、発射されてから回避機動を始めた方が避け易いという事になる。また、グライドフェーズ(ロケットモータが燃え尽きた後)に急激な回避機動を取るのも有効な回避方法だと考えられる(グライドフェーズでの推力喪失がちゃんとゲーム内に適用されているとすればの話)。
 一般理論的には、バレルロールか、水平か垂直方向への機動が最もミサイルを避け易いとされているが、このゲームではどれぐらい有効かは定かではない。


バグ
 重大なバグもいくつか存在するが、システム的に一番問題な問題は、リプレイデータのセーブ失敗だろう。これは、リプレイファイルを移動させるなどした時に起きる可能性が有り、セーブに失敗するだけならともかく、既存のリプレイファイルに上書きしてしまう場合があるのだ。なので、重要なリプレイファイルを移動する場合には、必ず他にもバックアップを取っておくことをお薦めする。
 ゲームプレイ上で困るバグといえば、HUD上のコンテナと、レーダー上でのコンテナ対象ターゲットの表示が多々一致しないことだろう。これは『Tactical challenge』09では致命的で、視界不良なためレーダー上で確認してからコンテナを確認しても、実は目指していたターゲットが異なっていて通り過ぎてしまうという事態が多発する。これを防ぐためには、常にレーダーと目視で確認し続けなければならない。
 バグではないけれど、誤字もある。

誤: 操縦棹
正: 操縦桿

リアル?
 『エアロダンシング』はよく「リアルだ」と評価される。これは恐らく『エースコンバット』などと比較して、という意味だろうし、「ゲームだから」デフォルメされた部分も多いのだが、それにしても「リアル」とは程遠い部分も多い。そんなわけで、リアルとは程遠い部分の中でも特に大きな部分をいくつか。

爆風
 色々と凝った部分が見られる『エアロダンシング』でも、その凝り方の割に全く考慮されていないのが爆風。
 そもそもミサイルは、物によっては直撃ではなく至近爆発でも飛行機がバラバラになるほどの威力が有り、破片以前に爆風の効果は大きい。ベトナム戦争の頃、ミサイルが空戦の主力の一つとなりつつある頃からこの爆風が問題となる事が多く、特に格闘戦中では攻撃した側でさえその爆風に対する回避機動を行わないとダメージを受ける事が多かった(爆発からかなり距離があっても、直撃弾を受ける事を前提とした頑丈な構造の一部の攻撃機など以外はダメージを受け易い)。
 そして、この攻撃側の回避機動を見越して、敵の撃ったミサイルを回避した直後に回避行動に移っている敵機を捕らえて撃墜するような機動も同じくベトナム戦争の頃から発達していった。つまり、爆風も空戦機動の重要な要素の一つなので、これを抜いてしまっているのは、ゲーム性という面でも若干の疑問は拭い去れない。
 少なくとも、ガンデュエルなんかで目の前で敵機が爆発なぞしようものなら、どう考えても自機やパイロットは無事では済まないだろうと。
 もっとも、この爆風という要素は、航空自衛隊などでも結構忘れられていることが多い要素なんだけど……。


 「ゲームだから」で済まされる話なんだろうけど、敵がミサイルや機関砲/機関銃を撃った瞬間に発射音が聞こえるよね。当然、有り得ない訳で。

武器選択
 これも「ゲームだから」の類だけど、武器選択が自動になっているので、撃ちたい時に撃ちたい武器を撃てないし、そのためのターゲット変更も出来ない。こっちの方はゲーム性としても問題があって、特に『Tactical challenge』では重大な影響がある。
 ボタンが足りないからという言い訳なんだろうけど、それはKey configで対応して欲しかったところ。

ナビゲーション
 特に着陸などにおいては、『エアロダンシング』の方が実機よりも難しい。それは操縦の難度が云々ではなくて、ナビゲーションが圧倒的に不足しているからだ。
 そもそも、現在位置がどこだか分からない状況から、方位も分からない滑走路に目視だけで着陸しろというのは無茶な話。このサイトに書かれている滑走路の方位情報を知るだけでも、大分楽になるとは思うけど。
 もっとも、着陸自体は特段に難しいわけではなく滑走路を早目に目視するのが難しいだけなので、画面表示を明るくさえしておけば滑走路の目視は簡単になるので、荒天だろうが夜間だろうが驚くほど簡単になってしまう。
 勿論、基地も自機も着陸支援機能に乏しい。目視で滑走路を確認しようにも、Cockpit視点だとかなり視界が狭い。ホーネットの実機に至っては、全自動離着艦機能まであるのにね。
 但し、着陸自体は、「これは脚折れるだろ」っていうような乱暴なバンク/ピッチ角でも、「これは滑走路外れるだろ」っていう無茶な進入角でもちゃんと着陸出来ちゃうんで、本物よりも簡単。
 ちなみに、航空自衛隊浜松広報館にある動揺型/簡易型シミュレータでは、ベロシティベクトル表示が無い上、ギアステアリングもギアブレーキも無い(簡易型シミュレータに至っては、ラダー自体が無い)ため、ある意味では『エアロダンシング』より着陸が難しいかも。それでも基本が出来ていれば、余裕で着陸は成功出来るけど。

画像表現諸々
 完全に個人的趣味だけど、エンジン排熱による陽炎は欲しかった。リプレイが見難いという意見が有るかも知れないけど、それはView configで設定できるようにすればいいし。特に、イーグルでのテールスライド時にコックピット周りに陽炎ができる様子は再現して欲しかった。
 あと、いくら高度を上げても空の色が変わらないのもなぁ……。90,000フィート超えてたら完全に宇宙の色なのに。



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