恥を晒す「自称クリエイタ」達

 2002年2月24日、及び、同3月2日に「ASCII24」の「アキバにゴー」のコーナーに掲載されたPSO(ファンタシースターオンライン)サーバの運営担当者のインタビュー。
http://akiba.ascii24.com/akiba/game/interview/2002/02/24/print/633792.html
http://akiba.ascii24.com/akiba/game/interview/2002/03/02/print/634122.html

 順に追って見ていくだけでも、ツッコミ所満載である。

全部サーバ側で処理するとなると、非常に重くなってしまう。それでPSOでは、重要なデータだけをサーバ経由で送るようにしています。重要でないものはDC同士で送りあうという。PSOのネットワークシステムは、クライアント・サーバ型とPeer to Peerの複合型なんですよ。重要なパケットっていうのは、チャットやメールの内容だったり、アイテムの受け渡しだったりといった、絶対に届かなきゃならないもの。これらはサーバを介して送っています。

 つまり、重要なデータだけをクライアント・サーバ方式で送受信し、それ以外をPtoP(Peer to Peer)方式で送受信すると言っているわけだが、明らかにPSOで使用しているPtoPを誤解/過信している(※1)。
 実際に、ゲームサーバのパフォーマンスが低下したために、全プレイヤのゲーム全体に遅延を引き起こす事が度々あった
 つまるところ、PSOのPtoP部分の通信に必要なバックボーン自体はクライアント・サーバ方式と全く一緒なので、サーバのスペックを十分に上げれば、全てをクライアント・サーバ方式で通信を行う事も可能だったのだ。これを行わなかったのは、単にコストカットを最優先していたためである事に他ならない。

OSにはLinuxを採用しています。Linuxを採用したのもコスト面からの理由が強くて、単純にコストがかからないモノを、というのが選択した経緯です。

 そもそも、Linux自体が初心者には扱いづらい物で、それを使ってネットワーク初心者がネットワークゲームを構築しようというのは、いくらコストカット最優先と言えども無謀過ぎる話なのだ。

実際、ソフトのなかでもっともかかるのはデータベースなので。オラクル買った日には毎年何百万かかるか(笑)

 「毎年何百万」というのが実情に即しているかどうかは置いておくとしても、現状、プロジェクト全体80人で、この体たらくのソニックチームを考えるに、その無能な社員の二、三人をクビにして、その資金をデータベースに回せば、余裕でペイできる程度の物なのだが。

完全な黒字状態です。

 サービス開始当初のDC版PSOは、そのハンターライセンスによる収入だけでも\40,000,000/月程もあり、その(無謀なまでの)ケチり路線のせいもあり、大幅な黒字であった。普通の会社ならば、その収入の一部をサーバのメンテナンス資金としてプールしておいて、よりよりプレイ環境を保持するために使うものだが、ソニックチームの場合は、脆弱なサーバ環境を改善する事さえしなかった

1番酷かったのはDC版の発売日初日に壊れたのが(笑) 初日にデータベースサーバがふっ飛んだんですよ。それでハードウェア交換。1番肝心なものだったので大変でした。

復旧には1晩かかりました。

初日なんで、朝からわーっと来るじゃないですか。それで「入れないぞ」ということになって。それでデータベースがおかしいということになっていったん直したんですが、これでよしと思ったところで今度は夜になって派手に壊れて。

まぁ、壊れるたびにそのトラブルに対するノウハウも貯まりますね。もう1台データベースやハードウェアを用意しておいたり、とか。また別件でサーバが飛んだこともあったんですが、そのときはサーバの入れ替えだけで対処できたので、3時間くらいで対処できました。「一度災害が起きるとそれに対する災害本部が機能するんだなぁ」と(笑)

 実のところ、PSOのサーバに使われているHDD(ハードディスクドライブ)はSCSIではなくATAを使用しているらしく、そもそも耐久性に問題がある(※2)。ATAのHDDはSCSIの物に比べて各段に値段が安いが、その分、極端に耐久力は低く、通常、サーバとしては使用しない。これをコストカット優先のためにATAを使用としたとなれば、いかにソニックチームがユーザ軽視の運営をしていたかがうかがわれる。
 また、常時稼動用のサーバHDDとしては、RAIDである事は勿論だが、ホットスワップが可能である事(※3)、全HDDを新品に入れ替え&初期化が出来る事等が基本であるが、それらも満たしていなかったらしい。

セガにはプロバイダとしてISAOがあるので相当助かっています。おかげで、ユーザーさんには「動かないならちょっとISAOで試してみてください」と言えるわけですよ。それでも動かないならなにかしら問題がある、と。一方でプロバイダさんには、ISAOのデータを必要に応じて提供しています。「こうやって対応してください」と。

 自らの半端な技術力のお陰でプレイヤやプロバイダに迷惑を掛けているにも関わらず、あたかも自分らが正義であるかのような言いぶり。さらには、この後、2005年04月14日以降には、主にISAOをISPとしたプレイヤが接続不能障害に遭っている。この際、ISAO経由で動かないものに対しても、カスタマサポートは例によって、「お客さまの環境のせいです」と返答している。

あと、1番の敵はADSL(笑) ADSLは規格自体があまり良くなくて、データがたまに欠落するんですよ。速いけども、エラーが出る。そのせいでADSLでは動かない、というケースもまだ多くありますね。タイミングの問題というよりも、データの欠落が痛いです。「ルータからMTU(※5)の設定をいじってください」とか、そういった対処をしていますが、Ver.2の頃からそういった連絡が増えてきましたね。

 ADSLの規格を批難しているが、「速いけれどもエラーが出るから動かない」というのは的外れである(確かにエラーは出るが、それが直接「動かない」原因になるわけではない)。そもそもPSOには(自らが規格外の事を勝手にやったために発生した)通信のバグが存在し、それによってPPPoE上で障害が発生しているので、批難はまさにお門違いというか、逆キレの類である。また、以後、知識/技術不足による障害が多発している事から見ても、ソニックチームのネットワークに関する知識/技術レベルが窺い知れる。
 ソニックチームはVer.1発売前のトライアル終盤(2000年12月)に、PSOのBbA(ブロードバンドアダプタ)対応を公式に発表している(プレスリリースも含む)が、PPPoEの規格を規定しているRFC2516が標準化されたのは1999年2月であるから、BbA対応を謳う以上は、当然、PPPoEに対応していなければならないわけである。
 そして、バグによる障害に慌てたソニックチームは、Ver.2発売時には「PPPoE不対応」とし、「PPPoEでの接続は自己責任で」と発表(http://pso.dricas.ne.jp:80/manual.html#pppoe)している。

通信パケットが大量に来すぎて通信が切れてしまう、という、今まで出なかった問題が出始めたんですね。“速すぎる”という。ブロードバンドの普及によって、そういった細かな問題への対処も必要になってきました。

 先見の明も無く、掛けるべき所にお金を掛けなかったために起きた障害を、「今まで出なかった問題が出始めた」と言い放つ厚顔無恥さ。

PSOって、キャラクターの容姿がみんな違うじゃないですか。あれって、実はスゴく大変なことで、キャラが違うってことは、それだけモデルやテクスチャ、体型のデータが違うということですよね。それを、新しいキャラが描画されるたびにGDから読みにいってるんです。メインメモリに入りきらないんですよ、キャラクターのデータが。だから、別の人が画面内に入ってくると、その人のモデリングデータをすべてGDから読んで描画しているので…。

 新しいキャラが描画される度にGD-ROMを読みに行くのは仕方ないとしても、同じメンバーでエリア間移動をしたり、武器を替えたりする程度でGD-ROMを読みに行くのは、明らかにキャッシュの使い方が下手なだけである。
 また、過剰なGD-ROMに対するアクセスは、音楽をストリームで流しながらキャラクタのデータを読み込んでいるためであり、GD-ROM上のファイル順序を変更するか、音楽をストリーム再生でなくするかすれば、この問題自体は解決される。実際に、同人レベルではファイル順序を変更する事によって、アクセスによる負担を軽減を実現し、ロード時間も遥かに短縮されている

だからPC版もDC版と同じセーブシステムを採用しました。チートという危険ももちろんあるんですが、それよりも入りやすさの方を重視した結果ですね。

 それにしても、セーブデータの形式まで同じにする必要は無かったのでは? そのせいで、PC版はサービスイン初日からチートが蔓延していた。

へぇ、こんなこともできるんだ、とか(笑) アカウント止めたのに入ってきたり(笑) あの手この手でやってきますね。

こちらが何かしらの対処すると、それを抜けるためのプログラムがどこかにアップロードされたりするんですよ(笑)

HDDがないからパッチを当てられないのも辛かったです。

 嬉しそうにチートの話をしている場合じゃなくて、自らのセキュリティの甘さを恥じるべきではないのか? そもそも、サーバを経由しているデータがチート対象になっているのは、明らかにサーバ管理側のセキュリティ不足であり、クライアント側にパッチを当てられるか否かの問題ではない
 また、GC版以降でも、トライアル時に指摘されていたバグを修正せずに発売を強行し、発売後に問題となるという、明らかな怠慢も繰り返し起こした
 さらに、このインタビューが公開された直後の2002年3月8日に配信されたオンラインクエスト「明日の代価」では、その仕様の甘さから重大なセキュリティホールを露呈、それをチータに解析され、以後、ロビーリロード、ロビーフリーズ、ステルスコード等、致命的な物を含む、より多数のチートコードが蔓延してしまう事になる。

サービスを終える予定は今のところありません。ハードの販売が終わったことで不安になっている人も結構いるみたいなんですが、安心してください。ユーザーさんがいる限りは続けていきますので。

 で、自らの行為でユーザを減少させ、それを理由にサービス終了させようという魂胆と?

実際、いまでも何が起こるか分からないので、常に構えておかないといけない、というのはあります。

 その割には、土日、年末年始、夏休みは完全休暇、営業日も9時〜17時のみという、オンラインゲームのサポートとは思えない営業時間はどうして?
 もっとも、営業していたとしても、数ヶ月〜何年単位で障害の復旧が出来ない程度の知識/技術のスタッフなのだが。

ネットワークゲームは、ちゃんとした計画をもって運営すれば利益のあがるものなので、ぜひ他社さんにもどんどんやっていただきたいですね。

 なるほど、それでちゃんとした計画を持たずに運営したPSU(ファンタシースターユニバース)は、大変な事になったと。

注記

※1
 PtoP(Peer to Peer)方式のネットワークには、大別して、クライアント・トゥ・クライアント方式と、セントラル(中央)サーバ方式の2つのタイプがある。クライアント・トゥ・クライアント方式は、文字通りクライアント同士(この場合は、DC同士)がデータをやり取りする(と言っても、例えばインターネット上である場合は、実際には経路上のマシンやルータ等を経由する)が、セントラルサーバ方式は、クライアントから送信されたデータは、一旦、セントラルサーバ(PSOの場合、ゲームサーバ)に送られ、そこから受信側のクライアントに送信される。そのため、通信の流れだけを見ると、クライアント・サーバ方式のネットワークと似ている。
 PtoP方式と言えども、PSOで使用しているPtoPはセントラルサーバ方式なので、ゲームサーバのパフォーマンスが落ちている場合、クライアント間の通信も遅延を起こす事になる。

※2
 そもそも、価格差から見ても、同じ部品精度や信頼性を持っているとは考えられないわけだが、基本的信頼度を表す数値から見ても明らかである。
 URER(Unrecoverable Read Error Rate:修復不能リードエラー発生率)で見ると、SCSIのHDDが約100TBにつき1回なのに対して、ATAは約10TBにつき1回であり、信頼性は一桁違う事になる。これは、セクタに与えられているECC(Error Correcting Code:エラー訂正符号)のビット数が1ビット異なる事に起因しているが、HDDを複数組み合わせるRAIDにおいては、さらに信頼性に差が出る。
 MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)で見た場合も、SCSIが約100万時間であるのに対して、ATAは約40万時間であり、各段に信頼性が異なる。

※3
 ホットスワップとは、ディスクに障害が起きた際に、電源を切る事無く代替ディスクに交換出来る機能。HDDにとっては電源のオン/オフが最もストレスの掛かる行為であるため、ホットスワップが可能だと、致命的障害が発生する前に迅速な復旧が可能になる他、場合によってはサーバとしての機能を稼動させたままの復旧が可能になる。


 次に、2006年8月24日にSlash Gamesに掲載されたPSU開発担当者のインタビュー。
http://www.rbbtoday.com/news/20060824/33342.html

 「CEDEC2006」で偉そうに講演した直後にPSUで大失態を犯したため、聴講者からも失笑の対象となっていたのは、言うに及ばず。

この5年間は、チートとの戦いでした。講演では、こうしたチートについて、実例を元に種類と対策を紹介する予定です。

 その5年間の経験を生かしてチート対策したはずが、PSUでは見事にチートが蔓延した。

スタッフの入れ替わりにも対応するため、ドキュメントも整備しています。

 折角ドキュメントが整備されているようなので、スタッフの総入れ替えをした方が良いかと。

PSUのクローズドβテストの頃ですが、Linuxのネットワーク機能のバグを見つけたこともありました。

 実際には、Linuxのソケットの扱い方を把握していなかっただけだという噂もある。

PSO Blue Burst(PSO BB)の頃はチートを出さないこと、そしてPSUでは、MMOとしてどう安定させるかを重要視しています。

 結局、どちらも実現出来ていない

現在はエネミーへの攻撃値の計算などもサーバ側で行っていますが、チートとリアクションのトレードオフということになりますね。課金を考えると、チート対策が重要になるため、P2P型ではなくサーバ型にならざるを得ないでしょう。

 ゲーム性を殺してまでチート対策をしたはずが、実際にはチートが蔓延し、トレードオフどころではなく、両方とも失う事になった


 さらに、2006年9月16日、及び、同20日に日経BPのデジタルARENAに掲載された、元ソニックチーム社長の中裕司のインタビュー。
http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20060915/118665/index.shtml
http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20060915/118665/index2.shtml
http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20060919/118684/index.shtml
http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20060919/118684/index2.shtml
http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20060919/118684/index3.shtml

 こちらも、思い上がった発言が満載。

中村光一さん(チュンソフト)と鈴木裕(セガ)と僕……そんなもんかな。

 単に自分が知らないだけなのに(実際には、遥かに多くがいる)、この言い切りは……。ましてや、とある大先輩等を挙げていない時点で、かなりの駄目っぷり。

アーケードゲームに挑戦して作った「サンバDEアミーゴ」ですね。これも非常に思い出深くて……。空間認識を利用して、身体を動かして遊ぶゲーム。技術的には任天堂の「Wii」に近かったりするんですが。そういったものを98年ぐらいにやってました。コンシューマー機では超音波を使って位置検出をするものを用意して、お客さんに遊んでいただいた。最新鋭を使いながら、バカバカしいことをやるっていうのが、最高に良かったです。

 いかにも、「『Wii』程度の技術は、とうに自分達が開発済みだ」と言いたげだが、それを言うなら、1990年にマテル社が開発(日本ではPAXが販売)したパワーグローブの方が(デバイスとしての評価はともかくとして……)遥かに先駆者である。
 それはともかくとしても、こういったゲーム向けの汎用技術で重要なのは、誰が最初に開発したかでなく、誰が巧く育てたのかである。その点において、明らかにセガと中裕司は立ち止まる場所を間違えたと言える。

今の「Xbox 360」ではオンラインでのビジネスがきちっと成立してるんですが、これは「ファンタシースターオンライン」のときに散々言って、ワールドワイドで20数カ国に信用していただいた、そのおかげではないかと思います。

 実際には、セガ自体はその杜撰な運営が元で徐々に信用を失いPSUに至っては、それを決定的にした

任天堂さんなら無料でできるかもしれませんが、我々開発側に立つと、ちょっとそれだと厳しい。今ゲームを作るのに、ものすごくお金がかかってしまいますので。

 単に「無料」としか捉えてないあたりが、社長としての見識の狭さを感じさせられる。実際に、その「無料」分の会社の支出は、宣伝費に相当しているわけなのだから。また、ゲームはその作品としての出来に対して対価を得るべきであり、「開発にお金が掛かるから云々」というのは言い訳に過ぎない。対価を得られないような作品しか作れないなら、潰れて当然の会社なのだから。



 一般に、半可通ほど表舞台で御託を並べたがるものだが、ソニックチームの場合は、その典型という感じがある。結果、自ら恥を晒しているわけであるが……。


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