主な致命的障害

 DC(ドリームキャスト)版PSO(ファンタシースターオンライン)における致命的障害の多くは、そもそもネットワークの素人が作り上げたゲームである事に起因しているが、それでも、その内のいくつかは充分な管理を行っていれば防げた物であろう事は容易に推測出来る。

 まず、ネットワークプログラム自体に根本的なバグが存在していた。実は、通信におけるパケット(※1)のサイズ(バイト数)が4の倍数でないと正常にデータの送受信が出来ないのだった。
 これはPPPoEでは根本的、かつ、致命的なバグで、さらに悪いのは、サーバ側もクライアント側(プレイヤのドリームキャスト側)もこうして起きた不正なデータ送受信のエラーの検出が出来るようにはなっていないという点だった。
 これによって、正常な通信が出来ていないにも関わらずエラーが検出されないため、プレイヤキャラクタの表示が化けてしまい、そのままセーブ終了してしまうと、結果的にセーブデータ自体が破壊されてしまう事になる。
 勿論これは他のゲームなら、致命的バグとして回収&バージョンアップ交換の対象となるような重大な問題でもある。

 そのようなネットワークの素人が管理も行っているため、メンテナンスを行う度、ほぼ確実に不具合が発生し、その範囲が増えていった。サーバ側のルータの設定を失敗し、それ自身をブラックホールルータ(※2)としてしまい、被害を拡大したことも有った。

 次に、システムと構成機器性能の問題。
 ネットワークの素人が考えただけあって、サービスイン当初から回線やサーバの性能の不足によって、接続トラブルが多発した。これはその後も延々と続き、根本的な問題であるにも関わらず、サービス終了まで対処される事はなかった
 これによって混雑時は特に、クライアント(プレイヤ)がサーバにログインする時に、サーバが正常に信号を返せずにそのまま回線を切断されてしまうという事態が多発した。
 PSOにおいてはサーバ側とクライアント側にそれぞれキャラクタのログオン回数がセーブされているが、サーバプログラムはログイン時にこれらの回数を照合し、合っていない場合は、クライアント側のセーブデータが不正なデータであるとして装備品などのデータを初期化してしまうようになっていた。
 つまり、先のようにログイン途中にサーバ側が信号を返せずに切断されてしまった場合のログイン回数は、サーバ側はログイン完了として増加するが、クライアント側はログイン失敗として増加しないので、結果として、プレイヤ側には何の落ち度も無いのに不正なデータとして扱われてしまうのだ。

 不正ユーザ対策も酷いものだった。管理者としてのゲームマスターが存在していないのはともかく、サーバ管理者としての対処も遅く、しかも小手先の物ばかりだったので、結果として殆ど不正ユーザの対処は出来ず、かえって一般ユーザの迷惑になるだけの状態だった。
 挙句の果てには、中途半端な仕様のクエストを公開して、自らサーバプログラムのセキュリティホールを晒してしまい、結果として不正ユーザの増長を招き、一般ユーザをさらに苦しめる事になった。

 その他にも、無印のPSO(所謂、Ver.1)においては、通信処理のバグによってエリア間転送中にフリーズする等して装備品等が初期化されるという障害も有った。Ver.2になった際にこの不具合は解消されたが、それとは別のバグにより、装備品どころかステータスの一部まで初期化されるという障害が発生した。

 勿論、タイトルに「主な」と明記してある通り、ここに書かれている物は障害のごく一部に過ぎない。細かく上げていったら、キリも無いほどなのだ。

注記

※1
 ネットワーク通信における情報の伝送単位。

※2
 通信の一部の返答が正常に出来ないため、パケットを破棄してしまうようなルータ。設定を間違えている場合か、古いルータでファームウェアの更新が出来ない場合になる事があり、小さなサイズの通信は正常に出来るのに、大きなサイズの通信が出来ないという状態が起きる。



 根本的な問題は、ゲームに対する愛情が足りないという点だ。これはゲームメーカーとしては致命的な問題である。
 それは綺麗事ではなく、自ら生み出したゲームに対する愛情が足りないため、それに対するメンテナンスがまともにしないという事であり、プレイヤがその分身とも言えるセーブデータにどれほどの愛情を注いでいるかを理解出来ていないため、セーブデータを軽軽しく扱っているという事である。
 まさに、育児放棄をした親と同じであり、子(ゲーム)を作る資格が無いという事だろう。


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