ドリームキャスト維持/修理関連情報
他人に修理を任せるほどの時間orお金が無いけれど自分で何とかしたい方や、自分でもうちょっとだけ上級のメンテナンスをしたい方向け情報。
ゲームが起動しない場合にする事
一口に、ゲームが起動しないと言っても、その原因はさまざま。なので、問題を解決するには、先ず、要因の切り分けを行う事が重要になる。
原因はドリームキャスト側か、ディスク側か
複数のドリームキャストを持っている場合、あるディスクが1台のドリームキャストで正常動作せず、他のドリームキャストだと正常動作する場合、先のドリームキャストの故障であると判断しがちだろう。
しかし、そのドリームキャスト自体は正常『範囲』である可能性もある。
実は、多くのCD/DVDドライブと同様に、ドリームキャストも『正常』とされる読み取り能力であっても、その能力自体は上下のバラつきが存在するからだ。そのため、微妙なレベルの可読性の低下が起きているディスクの場合、読み取り能力が『正常』でありながらそれほど高いわけではないドリームキャストでは正常に読み取れない場合があるのだ(それでも、CD-R/DVD-Rとドライブの相性ほどの大きな差異ではないが)。
意外と初心者の盲点になりがちなのがこの点であるので、これらの症状については充分に参考にすべきであるものの、この時点での拙速な判断は避けるようにした方が、かえって迅速な問題解決に繋がる可能性が高い。
ドリームキャストの挙動を確認
ドリームキャストの挙動を順を追って確認していく。
ディスクホルダの高さ確認
先ずは、ディスクホルダのラバー面(ディスク記録面が接触する面)とドライブサーフェースが適正な関係になっているかどうかを見る。
具体的には、ディスクホルダの方が1.1mm程度高くなっているか、ドライブサーフェースに対して水平になっているか、スピンドルモータ軸に対してしっかり固定されているかを確認する。これらが正常でない場合、ディスクに対して致命的な円周方向の傷を与える危険があり、ディスクホルダの調整が必要になる。
スピンドルモータのブラシ確認
有った方が良い物:
聴診器等
ディスクホルダーを指で回してみて、ちゃんと動くか、または、何らかの音がするかを聞く。動かないか、とても重い、もしくは、「カリカリ」と音がするようなら、スピンドルモータの不良(折れた給電ブラシが引っ掛かっているか、短絡している)である。もしそうなら、同時に重大な連鎖障害の危険があるので、絶対に電源を入れてはならない。
ドアスイッチの動作確認
電源投入後にディスクを入れて、上面ドアを閉じた時の画面表示を確認する。これは、ドアスイッチの動作の確認で、正常ならば「チェック中です。しばらくお待ちください。」という表示が出る。
この表示が出ない場合や、出てもすぐに消えたり、再び出たりと安定しない場合は、ドアスイッチの接触不良が疑われる。もし正常そうでも、一応、上面ドアの右奥部分(丁度ドアスイッチの上付近)を押したり離したりしてみる。この部分は若干遊びがあるはずだが、こうした時に表示が安定しないようなら、やはり接触不良が疑われる。
モータの動作確認
一旦ディスクを取り出し、ピックアップを一番奥側まで指で動かす(当然ながら、レンズを指で触らないように)。その後、再びディスクを入れてからドアを閉じるが、「チェック中です。しばらくお待ちください。」の表示を確認してから一瞬後ぐらいに、ドアを開けてディスクの様子を見る。もし、この時、ディスクが回転していなければ、やはりスピンドルモータの不良(短絡)が疑われるので、直ちに電源を切るようにする。
さらに、ディスクを取り除いてから、ピックアップの位置を確認する。もし、ここでピックアップの位置が先程動かした一番奥側から動いていなければ、スレッドモータの不良(短絡)が疑われ、これもやはり、同時に重大な連鎖障害の原因にもなるので、直ちに電源を切るようにする。
両モータとも正常と思われる場合は次の確認に移るが、念のためモータをさらに検査するのも良い。
ピックアップの動作確認
ケース上側を外した状態のまま、ディスクを載せない状態のまま電源を入れ、ドアスイッチを倒す。先にチェックをしてあるスピンドルモータとスレッドモータは正常動作するはずだが、ここで見るのはピックアップの挙動。スレッド停止後にレンズ部が上下に動く(フォーカス機能)か、及び、レンズから赤いレーザー光が出ているかどうかをチェックする。
このどちらかでも異常がある場合、ピックアップフラットケーブルの破断かBTLドライバの異常が疑われる。フラットケーブルの破断の場合、この時点で破断部分が目視出来る事も多い。
スピンドルモータのトルク確認
ディスクを載せ、再びドアスイッチを倒す。この時、スピンドルが回転しないか、3rps以下の遅い回転しかしないようなら、スピンドルモータの不良(劣化)かBTLドライバの異常が疑われる。
それでも異常が確認できない場合
ここまでの検査で異常が疑われる部分が無い場合、GDピックアップの劣化かBTLドライバの異常、もしくは、その両方が障害の原因である事が殆どとなる。
さらには、それらも正常範囲である場合、ディスクの可読性の異常低下も疑われる事になる。
ドリームキャスト本体の分解
ケースを開ける
必要な物:
プラスドライバー(#2程度)
ケースを開ける前に、ディスクが入っていない事を確認する。
モデム/BBA/LANアダプタを取り外し、本体底面4隅にある黒ビスを外し、ケース上側を外す。
ケースを元に戻す場合は、前面パネル(コントロールポート手前)とケース上側が正しく噛み合っているかの確認を忘れないように。
ドライブサーフェースプレートを外す
必要な物:
プラスドライバー(#1程度)
上面手前左右にあるビス2本を外し(ビス穴は奥側にももう1つあるが、ビス留めされているのは2箇所のみ)、嵌め込んであるドライブサーフェースプレートを上へと外す。
電源ユニットを取り外す
必要な物:
プラスドライバー(#2程度)
電源コネクタ近く(左側奥)にある給電コネクタを、ラッチを摘まんでロックを外しながら引き抜き、その隣と左側手前にある金ビスを抜く。次に左側中央のフックを外しながら奥の電源コネクタ部をケース下側から引き上げる(固く嵌っている場合があるので注意)。
後は右手前のピン(6本)が刺さっているだけなので、ピンを曲げないように注意しながら上に引き上げて外す。
絶縁シールドは固定されていないので、外す必要がある場合も、そのまま上に抜く事が出来る。
取り付けの際は、絶縁シールドを嵌めた後に電源コネクタとピンの位置を合わせて嵌めるが、その際に給電コネクタを敷いてしまわないように予め引き出しておく。勿論、コネクタ自体を接続する事も忘れないように。
ドライブマウントを取り外す
必要な物:
プラスドライバー(#2程度)
本来の手順的には、電源ユニットを取り外してから行うべき作業だが、その必要がない場合は、直接ドライブマウントを取外す事が出来る。
ドライブマウントの左手前と奥、右手前の計3本の金ビスを外した後、上に引き上げれば、メインボードとのコネクタが外れて取り外せる。
ドライブマウントからドライブトップとBTLドライバ基板を分離する
必要な物:
プラスドライバー(#2程度)
先に、右奥のクランプ2本でマウントに留められているケーブル2種(スピンドルモータ用2芯と、スレッドモータ+オーバーシュートスイッチ用4芯)を外しておく。但し、クランプは意外と柔軟性に乏しく、根元から折れ易いので、慎重に作業する事。
次に、ピックアップを奥側一杯まで指で動かした後、ピックアップフラットケーブルに負担を掛けないように注意しながらドライブフレームの裏が見えるように持ち上げ、ピックアップからフラットケーブルを引き抜く。
さらに、マウントの裏にある5本のビスを外す。5本の内2本は奥側のテープ(布テープかフェルトテープ)の裏に隠されているが、フェルトテープが剥がしにくい場合は、穴を開けて直接ビスを外してしまっても良い。また、動作テスト等で一時的に本体に戻す時は、正しい位置にBTLドライバ基板が収まっていれば、ビス留めなしでも大丈夫だが、念のために固定したい場合は、手前右側と奥中央(テープの裏)の2本を留めておけば充分(奥右側はBLTドライバ基板を固定出来ないため不可)。
ビスを外したら、ドライブマウント下側を外してBTLドライバ基板表面が見えるようにし、中央奥のコネクタに繋がっているケーブル2種を引っ張って外せば、ドライブトップとBTLドライバ基板が分離出来る。
元に戻す場合は、先ず、ドライブマウント上側奥の四角穴に表から裏へとケーブル(2本共)を通し、そのケーブルを丸穴の方へ移す。その後、通したケーブルをBTLドライバ基板へと接続する。
フラットケーブルを四角穴の裏から表に出るようにし、ケーブルをコネクタから外れない程度に表側に引き、BTLドライバ基板の位置を合わせた状態でドライブマウント下側を嵌め込み、ビスで留める。
その後、ケーブルをマウント右奥の溝から出し、右中央の溝から入れるようにし、フラットケーブルをGDピックアップへと挿し込んで(GDピックアップ自体をドライブフレームから外してある場合は、それを戻して)から、ドライブトップをマウントに合わせ、外に出ているケーブルをクランプの下に入れて留める。
GDピックアップを外す
必要な物:
プラスドライバー(#1程度)
ドライブトップ裏面のGDピックアップ軸を留めてある軸留めのビスを外し、軸留めを外す。この際、中間ギアも外れるようになるので、紛失しないように注意する。
その後、レールと軸受けから外すようにすればGDピックアップは外れる。
ピックアップフラットケーブルは挿し込んであるだけなので、位置さえ合っていれば問題はないはずだが、挿し込む際には補強板末端部分を強く折るようにしてしまうと、断線の原因になってしまうので注意する事。
コントロールポート基板を外す
必要な物:
プラスドライバー(#2程度)
ファンと接続してあるケーブルをコネクタから取り外し、メインボードと接続しているフラットケーブルを外した後、金ビス(長)4本を抜き、コントロールポート(4箇所)を前面パネルから抜くように若干引きながら上に外す。
ちなみに、フラットケーブルを抜くという事は、メインボードがバックアップ電池から切り離されるという事であり、時計のバックアップが切れるという事になるので、留意するように。
廉価版の場合、電源ユニットがコントロールポート基板の上に被さっていて、電源ユニットを取り外してからの方が楽に外せる場合もあるが、これは必須の作業ではない。
取り付けの際は、先にコネクタを嵌めてからビス留めをする事(忘れると、基板の下に敷いてしまう事がある)。また、ビスは他のビスより長く、互換性が無いので、混同しないように注意する事。
ドリームキャスト本体の追加検査
モータの検査
必要な物:
テスタ(抵抗)
有った方が良い物:
聴診器等
テストリード等
乾電池(3V程度)等
スピンドルモータとスレッドモータは、どちらの検査も基本的に同じ方法で行う。
先ずは、軸(=ディスクホルダーやピニオンギアでも良い)を指で回転させてみる。ブラシが完全に破損している場合は、「カリカリ」という音がする。折れたブラシの引っ掛かり方によっては、動かないか、とても重い事もある。
次に、テスタを使ってモータの端子間の抵抗を測る。これは、1回ではなく、軸を少しずつ回転させて角度を変えながら、1周分繰り返し測る。但し、回転中は誘導電圧のために正確に測れないので、測定は必ず軸を止めた状態で行うようにする。
こうして計測すると、正常なモータならば1周の内のどの位置で計測しても、スピンドルモータは18〜19Ω前後、スレッドモータは7〜8Ω前後となる。しかし、この範囲から大きく逸脱していたり、角度によって上下に大きな差がある場合は、モータの不良が疑われる。また、0Ω近くまで低下する角度がある場合は、折れたブラシによって短絡している事を表している。
ここまでの検査で問題がない場合でも、電池(3V程度が好ましい)を端子に繋いで、回転するかどうかを確めた方が良い。この場合も、少しずつ軸の開始角度を変えて確認を繰り返すようにする。ここでも特定の角度だと回転を始めなかった場合は、やはりブラシ破損によって短絡をしていると考えられる。
ヒューズ抵抗の溶断検査
必要な物:
テスタ(通電)
コントロール基板上にアキシャル抵抗型の部品が2つある(基板の配置自体は、初期版と廉価版で異なる)が、ヒューズ抵抗は基板上にヒューズの回路記号と『F1』の文字がある方で、識別用として第4帯に緑の線が引かれている。もう一方は普通の抵抗で、同じく基板上に抵抗の回路記号と『R1』の文字があるので、両者を混同しないように。
ヒューズ抵抗の両端子間を通電チェックする。基板裏面からだと楽だが、表面からでも絶縁塗料部分以外にプローブを接触する(=通電チェックをする)事は可能。
通電しない場合は、ヒューズ抵抗が溶断している。
ドリームキャスト本体の修理
ディスクホルダの調整 (難度:††)
必要な物:
精密マイナスドライバー(安物)等
接着剤(瞬間、または、エポキシ系)
有った方が良い物:
ノギス
マイナスドライバー(安物)等
本体の分解をしないまま作業をする事も可能だが、ケース上側を外し、ドライブサーフェースプレートも外しておいた方が楽だろう。
ディスクホルダは適当な高さに調整された状態でスピンドルモータ軸に接着剤で固定されているが、これが外れてディスクホルダが上下に動いてしまい、動作不良やディスクの傷の原因となる事があるので、その対処をしなければならない。
まずは一旦ディスクホルダを外すのだが、スピンドルモータ軸に負担を掛けないように、なるべく真上に引き抜くようにする。この時、固くて引き抜きにくい場合は、ディスクホルダの下にマイナスドライバー等を入れて梃子の原理で引き上げるようにしたりするが、この場合も一箇所で集中して力を掛けると、スピンドルモータ軸やディスクホルダ自体が歪んでしまう危険性があるので、周りの何箇所からか徐々に力を掛けるようにする。
ディスクホルダが外れたら、軸穴に接着剤が残っている場合、精密マイナスドライバー等を軸穴に突っ込んで、それを取り除いておく。
その後、(ドライブサーフェースプレートを外していた場合、それを戻してから)再びディスクホルダを軸穴に挿し、ディスクホルダのラバー部がドライブサーフェースプレートより1mm強程度高い位置になるように位置を合わせる。低過ぎるとディスクが接触して傷付く原因となるし、高過ぎると読み込めないので、慎重に調整する。
この状態で、一旦、(ディスクホルダの位置が下がらないように)静かにディスクを嵌め、動作確認をしておくと良い。
正常動作しそうなら、ディスクホルダの軸穴(スピンドルモータ軸の上部分)に接着剤を流し込んで固定する
但し、瞬間接着剤を使う場合は、その量に注意しなければならない。軸穴の隙間は一般的な瞬間接着剤の1滴よりも遥かに小さいので、そのまま滴下すると軸穴から接着剤が溢れ、あらぬ場所に接着剤が付いて要らぬ障害の原因となる危険性がある。そのため、瞬間接着剤を使う場合は、先にこよりを挿しておいて、余分な接着剤を吸い取るようにした方が良い。
あるいは、少量のエポキシ接着剤を爪楊枝の先等を使って軸穴に詰めるようにした方が、(完全接着までに時間は掛かるが、かえって)落ち着いて確実な作業が出来るかもしれない。
ドアスイッチの修理 (難度:††)
必要な物:
プラスドライバー(#2程度)
精密マイナスドライバー(安物)等
有った方が良い物:
接点復活剤等
ドアスイッチの動作不良の原因の殆どは、端子接触面の劣化による通電不良によるもの。軽微なものならば、上面ドアのドアスイッチ接触部(ドアを閉めると、ここがドアスイッチを倒す事によって、ドアが閉められた事を検出される)に下駄を履かせる(厚紙等を両面テープで貼り付ける)だけでも改善できるが、基本的にはドアスイッチを分解清掃する事になる。
ドアスイッチは、初期版、廉価版のドリームキャストでは、ドライブマウント内にあるBTLドライバ基板の右奥にあり、再構成版ではメインボードの右奥にあるため、いずれの場合も、ケースを開ける以外の分解をせずに修理作業(これ自体にはドアスイッチの分解はあるが)に入る事は可能である。
ドアスイッチの本体は基板に固定されているが、カバーを外す事によって、カバー、レバー、接点バネの3つのパーツを取り外す事が出来る。但し、初期版と廉価版の2種類があって、全てのパーツは互換性が無い。
初期版は前後、廉価版は左右の噛み込み部を外す事によって、カバーを外す事が出来る。丁寧にやるなら、精密マイナスドライバー等で噛み込み部を起こしてやるのが良いが、手作業なら多少強引に開けても、まず問題は起きない。但し、いずれのパーツも小さいので、紛失に注意する事。特に接点バネ(初期版の場合は板バネ、廉価版の場合はコイルバネ)は跳ね飛ばさないように注意。自信が無い人は、全体をビニール袋に入れたまま作業をするのが良い。
実際には、殆どの修理作業は外したパーツ側ではなく、スイッチ本体の底にある接点部に対して行う。この接点は、経年酸化、喫煙によるヤニの付着、飲料をこぼしたための汚れ等によって、かなり通電不良を起こし易い場所で、そうした接点は、黒く汚れたようになっているので、これを削り剥がして、通電状況を改善させる事が要点となる。
スイッチ内部自体は狭いので、具体的には、精密マイナスドライバー等を使って接点表面を擦るようにする。但し、(スイッチを開ける時と同様に)ドライバーとして使うことが目的ではないので、安くて刃先が削れても良いような安物を使う事。
金ピカに光って見えるぐらいに削れれば完了。気休めだが、可能ならば接点バネの方も(こちらはヤスリ等でも良いが)擦って置いた方が良い。さらには、接点復活剤等を吹いておくのも良いが、スプレーの場合、パーツを吹き飛ばさないように注意。
清掃が済んだら、パーツを元に戻す。初期版の場合は接点バネの穴をレバー底面手前の突起に、廉価版の場合はコイルのループをレバー下側面の突起(2箇所)に嵌め込み、その状態のまま、レバーの手前下部の軸ををスイッチ手前の軸受けに嵌め込む(但し、嵌め込みの衝撃で接点バネが外れないように注意)。その後、カバーの前後(上部穴の長い方がレバーが倒れる分 = 奥側)を間違えないようにしつつ上部の穴をレバーに通すようにしながら、スイッチに噛み合わせるようにする。この時、レバーに引っ掛けたり、噛ませ方が充分でなかったりすると、接点バネを跳ばしてしまう危険があるので、これも注意する事。
軽く指でレバーを倒してみて、正常に動くようなら、この修理は完了。
スピンドルモータの交換 (難度:†††)
必要な物:
交換用スピンドルモータ
半田ごて
プラスドライバー(#0程度)
マイナスドライバー(安物)等
エポキシ系接着剤
有った方が良い物:
半田
ロックタイト(ネジ緩み止め)
先ず問題となるのは、交換用のスピンドルモータの入手になる。(GD-ROMの読み込みは12倍速だが、GD-ROMは倍密であるため)6倍速CDドライブ用の性能が担保できる24.4mm径、2mm軸のDCモータ(ブラシ式が普通だが、2端子駆動が可能なものならば、ブラシレスでも可)なら適合すると思いがちだが、完全に適合するモータを見つけるのは(特注品を除けば)意外と難しく、簡単に見つけられる多くのモータでは、軸の長さや軸受けの形状(表側)の違いによって、取り付け部の(かなり面倒な)改造が必要になる事が多い。
そのため、一般ユーザが現実的にスピンドルモータの交換を考える場合、同じく中古ドリームキャストからのスピンドルモータの流用、あるいは、それを含むドライブフレームごとの交換という手段(所謂、『ニコイチ』)を取るのは、決して悪い方法ではないと言える。
以下は、それを踏まえた上での、敢えての交換方法となる。
ケースを開ける以外の手順を踏まずにドライブサーフェースプレートを外して交換作業を始める事は可能だが、作業のし易さから考えて、先にドライブマウント自体を外し、ドライブトップを分離しておいた方が良い。また、先に半田ごてを使って(そのまま使うであろう)リード線をモータから外しておいた方が良い。
ディスクホルダを外すとモータ軸の周りにモータ固定用板とそれの留め金具が見えるので、ビスを外し(ビスは小さい上にロックタイトで留められているので、頭をナメないように注意)て、留め金具を外す。
固定用板と側面のバネクリップ、底面の調整金具は、モータの固定位置/角度を定め易くするための物なので、この時点では取り外さなくても良い(あるいは、固定方法によっては、交換したモータを固定する際にさえも、一部、もしくは、全部が必要ない)が、モータの側面は接着剤でフレームに留められているので、モータとフレームの隙間に細いマイナスドライバー等を差し込み、接着剤を割ってモータを上面から取り外す。この際、フレーム側を割ったりしないように、気を付けるように。
取り外したモータから(必要ならば)固定用板(固定用板本体、スペーサバネ、ビスとスペーサ各2からなり、全て別のパーツ)を取り外す。
フレームに交換用のモータを取り付ける場合、モータの形状が同じならば、元の通りに組み立て直せば良いが、そうでない場合は、各パーツの使用/不使用、改造等、交換するモータの形状に合わせて考える必要がある。
モータを完全に固定する前には、サーフェースプレートとディスクホルダを仮止めして、モータ軸が表面と完全に垂直になるように(X、Y軸共に)角度を調整する。これが不十分だと、ディスクを傷付けたり読み取り性能が下がる等の原因になるので、丁寧に作業する。角度の調整には、フレームとモータの間にスポンジテープや爪楊枝を差し込む等の方法もある。
角度の調整が充分ならば、フレームとモータの隙間(の一部)にエポキシ接着剤を充填して固定するが、それ以外での固定が充分に出来ているなら、接着剤を使用する必要は無い。
リード線を半田付けして終了となるが、端子とリード線の極性を間違えないように。
スレッドモータの交換 (難度:††)
必要な物:
交換用スレッドモータ
半田ごて
プラスドライバー(#1程度)
有った方が良い物:
ピニオンプラー(1.5mm軸用)
薄嘴ペンチ
半田
ロックタイト(ネジ緩み止め)
スピンドルモータと違い、このスレッドモータは(一般小売用ではないものの)一般的な仕様なので、比較的、交換用のモータの入手はし易く、S.T.L.JAPANの誉31等、小売店での取り扱いも多い。
ケースを開ける手順は必要だが、ケーブルをクランプから外し、ピックアップフラットケーブルに負担を掛けないように注意さえしていれば、ドライブマウントを外したり、ドライブトップを分離しなくても、ドライブフレーム部を裏返した状態で充分に作業は可能。
半田ごてでモータの端子からリード線を外すが、リード線は端子穴に通されているものの、充分に半田を溶かしていれば、リード線を引っ張るだけで外せる。
次に、軸のすぐ脇にあるロックタイトで留められたビスがあるので、これを外せばモータが外せるようになる。
流用する場合はピニオンギアをモータから取り外すが、割損していないピニオンギアの場合は、指で外すには若干固めになっている。適合するピニオンプラー等を使用するなら問題ないが、ペンチ等を梃子として使って外すような場合は、軸を曲げてしまったり、ピニオンギア自体に傷を付けたりしないように注意する。
交換用のモータの軸にピニオンギアを挿し込み、一旦、所定位置に仮戻しし、中間ギアと歯面位置が合っているかを確認する。ピニオンギアの挿し込みの際、純正品等のナイロン製の物ならば指でも十分に押し込めるが、金属製のピニオンギア等の場合は、打ち込みが必要になる事もある。
交換用のモータの端子に、極性を間違えないようにリード線を半田付け(端子穴には通さなくても良い)し、固定用のビスで留めれば終了となる。固定はこのビスのみなので、しっかり留める必要があるが、しっかり留めさえすれば、ロックタイト自体は殆ど必要はない。
ピックアップフラットケーブルの交換/修理 (難度:†(交換)〜†††(修理))
必要な物:
交換用ピックアップフラットケーブル(交換の場合)
リード線、もしくは、ペイント用ベース素材(修理の場合)
導電性ペイント(修理の場合)
エポキシ系接着剤、もしくは、紫外線即時硬化型レジン(修理の場合)
有った方が良い物:
テスタ(通電)
交換する場合は、交換用のピックアップフラットケーブルさえ用意できるなら、作業は簡単。
交換用のフラットケーブルは、16芯1mm(実測0.96mm)ピッチの導体露出面同方向のフレキシブルフラットケーブルなら(極端に長過ぎたり短過ぎたりしない限り)概ね使用可能。勿論、中古の同タイプが流用出来るなら、それで充分。
ケースを開け、ドライブマウントを外し、BTLドライバ基板を分離してあれば、交換自体は簡単で、BTLドライバ基板に挿してある部分を抜いて新しい物に挿し替えるだけだが、初期版の場合はフェルトテープで留めてあるので、これを剥がして抜く必要はある。
GDピックアップ側に挿し込む際と同様だが、補強板末端部分を強く折るようにしてしまうと、断線の原因になるので、挿し込み時には注意する事。
ドライブマウント、ドライブトップとの再組み立てをする前に、ドライブトップからGDピックアップを外しておくと、フラットケーブルを挿し込む際に作業が楽になる。
一方、フラットケーブルの修理をする場合、先ずはどの線が切れているかを導通チェックをする。そして、切れている部分をバイパスすれば良いのだが、元がフレキシブルフラットケーブルなので、単純に半田付けすれば良いという訳にはいかない。
バイパスする部分とリード線は、導電性ペイント(導電性接着剤でも可能だが、コストが高い上に接着力が弱く、硬化後も脆いので推奨出来ない)で導通させるようにする。但し、導電性ペイント自体には接着力は殆どないので、接触部の上からエポキシ接着剤等で固めて外れないようにする。紫外線即時硬化型レジン(コスト高だが)が使えるなら、エポキシ接着剤の代わりにそれで固定するのが手軽。
リード線の代わりに、バイパス自体を導電性ペイントで作ってしまっても良い。勿論、この場合、柔軟性のある素材の上かフラットケーブルの上に線を描く事になるが、バイパスの接続部はやはり同じように処理する必要がある。
また、複数の断線を修理する場合は、バイパス同士が短絡しないように注意。
BTLドライバの交換/修理 (難度:††††)
必要な物:
交換用BTLドライバ
ニッパ
半田ごて
半田
有った方が良い物:
リード線
BTLドライバの載っている基板は、ドライブマウント内に収容されているGDドライブ関連全般を制御する基板だが、その中でもBTLドライバICが最も障害を起こし易いので、俗称として『BTLドライバ基板』と呼ばれている。
BTLドライバ基板は、ケースを開け、ドライブマウントを外し、BTLドライバ基板を分離する事によって露出する。シールドが付いている場合(初期版)は、両側面に嵌め込まれているだけなので、左右に開くようにしながら引けば外せる。
基板上の中央左にある『BA5986FM』というのがBTLドライバだが、(設計ミスレベルの手抜きなのだが)この出力に対しては保護回路が付いていないため、BTLドライバの制御対象(モータ等)が短絡した場合、BTLドライバ自体が焼損する場合がある。スピンドルモータが短絡した場合は、大きく焼け焦げ、変形を起こしたり、ドリームキャストの外部からでも異臭がする程になる事が多いが、外見があまり変わっていない場合でも、焼損している可能性はある。
BTLドライバは小売されている事は多くはないが、珍しいICでもないので、(特に『BA5986FM』に拘らなければ)代替品の入手はそれほど難しくはないが、『BA5986FM』は組み込み用のICなので、(当然、基板の方も)足間(ピッチ)が0.8mmで、一般ユーザが半田付け作業をするにはかなり難度が高いものとなる。
そのため、中古ドリームキャストからのBTLドライバ基板自体の流用というのは、極めて現実的な方法であるとは言えるが(あるいは、受光信号処理部の劣化の場合は、基板ごと交換する以外にほぼ修理方法がないが)、同時に、最も障害を起こし易い部位の一つであるので、不動品のドリームキャストからパーツ取りをしようと思っても、やはりBTLドライバが焼損している可能性も高いとも言える。
BTLドライバの載せ替えに関しては、難度の高さはともかく、作業自体は単純で、単に旧ICの足と放熱フィンを半田ごてやニッパで外し、新ICを半田付けするというだけになる。
勿論、同種のBTLドライバならば、『BA5986FM』でなくても載せ替えは可能だし、『BA5986FM』自体は同じ回路を4つ持っているので、一部の回路が障害を起こしている場合は、同様の障害を持っている物と『ニコイチ』してしまう事も可能だが、どの手段を取ったとしても、作業の難度には大差はないと言える。
BTLドライバの焼損が疑われる障害が起きた場合は、当然、モータの短絡が疑われるので、一見モータが正常そうでも厳密に調査を行っておかないと、修理後に再度BTLドライバの焼損を起こす危険性があるので、十分に注意する事。
GDピックアップの調整/修理 (難度:†(調整)〜†††††(修理))
必要な物:
精密マイナスドライバー(調整の場合)
交換用赤色レーザー発光器(修理の場合)
プラスドライバー(#0程度)(修理の場合)
半田ごて(修理の場合)
半田(修理の場合)
有った方が良い物:
テスタ(抵抗)
オシロスコープ(デジタルの安価な物でも可)
ケースを開け、ケーブルをクランプから外し、ドライブフレーム部を裏返して、ピックアップフラットケーブルを抜いてからGDピックアップを外せるが、調整を行うだけならば、フラットケーブルは抜かず、GDピックアップ自体も外さないままの方が良い。
GDピックアップの調整の場合は、その(ピックアップフラットケーブル用の)コネクタの近くにあるΦ3mmの半固定抵抗を精密マイナスドライバーで回す事によって行う。半固定抵抗は約2Ω〜約1,500(または、〜約5,300)Ω程度までの範囲で調整が可能だが、レーザー発光器とBTLドライバ基板(の受光信号処理部)が正常な場合は約1,100Ω程度に調整されている。
但し、この半固定抵抗による調整は、調整範囲を見れば分かる通り非常にピーキーで、最適な状態にするには細かい調整が必要な上、レーザー発光器とBTLドライバ基板が劣化している場合、それに合わせて調整しなければならないので、一定の抵抗値にすれば良いという訳ではない。
そのため、受光信号出力をオシロスコープで監視するのが適正な調整の早道となるが、そうでない場合は、細かく調整して試験運転の繰り返しをする事になる。
さらには、読み取り能力は外光の状態によっても大きく変化するので、ケース上側を外した状態での試験動作が正常でも、ケースを閉めた時に正常動作するとは限らないので、最終的にはケースをした状態で確認をしなければならない。
しかし、半固定抵抗によって調整可能な範囲は極めて限定的で、むしろ、レーザー発光器やBTLドライバ基板の劣化分を補えず、読み取り能力が回復しない事の方が多い。
レーザー発光器自体は小売もされているので、交換修理する事は可能だが、作業としてはかなり細かい上、そもそもそうしようと思うような技術と知識のある人がこのページを見ているとも思えないので、その詳細はここでは割愛する。
あるいは、正常なGDピックアップ自体を流用した方が簡単でもある。
先に書いた通り、読み取り能力の低下はGDピックアップ単独の問題ではなく、BTLドライバ基板の劣化の問題でもある事も少なくないので、GDピックアップの調整/修理/交換でも読み取り能力が低下したままの場合は、BTLドライバ基板の交換も考える必要がある。
ディスクの可読性に関する問題
ディスクの修復 (難度:††)
必要な物:
耐水紙ヤスリ(#10000程度)
水
有った方が良い物:
コンパウンド
研磨用フェルト
スキップドクター/ゲームドクター
記録面の傷によってディスクの可読性が低下している場合、ディスクを研磨する事によって可読性の回復を試みる事が出来る。これは、光ディスクの記録特性(円周方向に順に記録されるため、円周方向の連続障害に比べて、放射方向の連続障害の方がエラーを訂正し易い。そのため、音楽トラックに比べてエラー訂正が強力なデータトラックの方が効果的)を利用したもので、放射方向に彫る事によって、円周方向の傷を誤魔化すと言っても良く、決して平滑になるまで磨くという意味ではない(実際に、手磨きや民生用の機器で傷が完全に無くなるほど平滑に磨くというのは不可能)。
さらに、こうした研磨は記録面のレーザーの乱反射を低下させる事を目的としているため、浅くても表面の荒れた傷を修復するにはかなりの手間が必要になるし、ディスクの歪みやレーベル面の傷による反射層の破損に対しては効果は無い(反射層の破損に関しては、亜鉛スプレー等を吹き付ける事によって修復が可能かも知れないが、実際に試した事はない)。
基本的に、水を付けた耐水紙ヤスリで磨くのだが、一般的に極細目と言われる#2000程度では、ディスクは傷だらけになって全く読めなくなる(つまり、修復の前段階でかなり深く彫る時以外では使用しない)。そのため、#10000程度の超細目の物を使う事になる。
先に書いた通り、実際に磨く際は放射方向にしか磨いてはならない。円周方向に磨いてしまうと、当然、可読性は低下する事になる。また、深い傷を修復する場合、その部分のみを繰り返し研磨してしまうと、ディスクの重量バランスが崩れ(些細な重量差でも、6倍速で回転するため)、回転不良によってGDピックアップのフォーカス機能に負担を掛けたり、接触によってディスク自体に円周状の傷を付ける原因になったりするので、傷以外の部分(方向)もある程度均等に研磨しておかなければならない。
コンパウンドを使って磨く場合も基本的な磨き方は同じだが、その場合は勿論、紙ヤスリではなく、布や研磨用フェルトを使っても良い。但し、使用するコンパウンドの粒子サイズを把握しておく必要がある。写真のコンパウンドの場合、『細目』が#1500程度、『中細』が#8000程度、『極細』が#14000程度となる。また(ほぼ好みの問題だが)、より粒子の細かい液体コンパウンドを使っても良い。勿論、ピカールを使っても良いが、目的と効果からするとかなり高コストになってしまう。
スキップドクター/ゲームドクターの使用
ディスク研磨用の機器としてスキップドクター(ゲームドクター)と呼ばれる機器がある。効果のみに関して結論から言うならば、この機器は効果がある。Amazon等のサイトのこうした研磨機に対するレビューとして、「傷だらけになった」等と低評価がされている事が少なからずあるが、先に書いた通り、民生用の研磨機は可読性の回復が目的であって平滑研磨が目的ではないので、そうした的外れなレビューは気にする事はない。
これらの機器一番の利点は、確実に放射方向のみに研磨出来る事である。一方で、運用面やコスト面で注意しなければいけない事も多い。
運用面で注意しなければならない点の一つは、その強度である。機械部の殆どが樹脂製のため、強度面では(どうしてアメリカ人がこれを使用出来るのか疑問に思うレベルで)かなり脆いので、手動の(ハンドルを手で回す)機器の場合は、無駄に力を加えないようにしないと、研磨盤1枚を消耗しきる前に本体が壊れる危険性もある。
研磨の傾向についても知っておく必要がある。シリーズによって研磨盤が時計回りな物と反時計回りな物があるが、これによって、若干(特に最内周付近と最外周付近)の研磨度合いの違いもある。また、研磨の方法自体による問題だが、(研磨密度が低くなるため)ディスクの外周により近い傷の方が、修復に手間が掛かる傾向がある。
研磨盤はシリーズ共通の消耗品で、中心部は両側に固定用の穴が空いているため、どちら回り用のシリーズでも使用可能となっているが、交換キット(研磨盤、研磨用液、ドライクロス、フェルト)の価格はかなり高い。1枚の研磨盤は約50枚のディスクの研磨が可能とされているが、これはディスク2周研磨(シリーズによって異なるが、手動の場合はハンドル約60〜140回転程度でディスクが1周する)を1セットとして50セット分という意味で、1セットで修復可能な障害は極軽微なもので、やや厄介な障害だと50〜100セット分は普通に必要だという事を考えれば、かなり高コストになってしまう。
研磨盤自体はホイールに#10000程度の耐水紙ヤスリを貼り付けただけのものなので、耐久性を超えて紙ヤスリ自体が剥げてしまうと、接着剤がディスクに付いてしまい、アルコールスプレー(シール剥がし)を使ってディスクを磨く羽目になる。但し、この際も溶解性の溶剤が入っている物で磨いてしまうと、ディスク表面が荒れて(白く曇って)しまい、かなりの研磨が必要になってしまうので、絶対に使用しない事。
但し、研磨用液は濾過水99.5%、アルコール0.5%という物なので、日本であれば十分に水道水で代用が可能だし、研磨盤自体も、ホイールさえヘタってなければ、紙ヤスリを貼り替える事によって再利用が可能で、これによってランニングコストを下げる事も出来る。
勿論、コンパウンドを併用して研磨する事も可能。その場合は、機器内へのコンパウンド滓の詰まりには注意する事。また、ホイールの再利用の際には、コンパウンドでの専用使用を前提にして、紙ヤスリの代わりに研磨用フェルトを貼っても良い。
本質的な研磨の効果
実際のところ、かなり手間が掛かっても良いなら、傷による可読性の低下をなんとか読めるように回復する程度なら殆どの場合において可能だが、これはリトライを数回〜数百回行っても問題のない吸い出しのような作業にとって有効なレベルであり、ほぼリトライなく読み込みが成功しなければストレスになるような実際のゲームプレイ上に関しては、極めて軽微な障害か、極めて手間(回数/時間)を掛けて研磨する場合でなければ、実用的ではない可能性が高い。
修復剤の使用
研磨以外で可読性の回復を試みる方法としては、修復剤を使う方法がある。これは、研磨による方法とは逆に、屈折率の近い樹脂を傷に埋め込んでレーザーの乱反射を低下させようとする手法である。
単純に考えると、修復剤が凝固した後で研磨をすればより効果的ではないかと思えるが、多くの場合、修復剤自体の凝固に比べて傷への癒着の方が弱いため、研磨してしまうと修復剤が丸ごと剥げてしまう事の方が多い。
コントローラが効かない場合
コントローラが全く効かない時は、殆どの場合、コントローラの回路上の問題か、コントロールポート基板(正式には『サブ基板』だが、主な回路がコントロールポートであるため、俗称として『コントロールポート基板』と呼ばれている)のヒューズ抵抗が溶断しているかのどちらかになる。
ヒューズ抵抗をチェックし、溶断が確認されたならば交換修理する事になる。
ヒューズ抵抗はコントロールポートに過電流が流れた時、メインボードに被害が及ばないように溶断するようになっているが、コントローラ等の短絡以外に、ぷるぷるパック等の大電流使用のオプションを多く挿した状態のコントローラをポートに挿した時のスパイクによっても簡単に溶断してしまうので、そうしたオプションを使用する場合は、コントローラを挿した後にオプションを挿すようにする等の段階を経る事によって、スパイクによる溶断の危険性を減らす事が出来る(それでも、完全に無くす事は出来ないが)。
ヒューズ抵抗の交換 (難度:††)
必要な物:
交換用ヒューズ抵抗(0.25W/0.39Ω)、または、ガラス管ヒューズ(125〜250V/0.5〜1.5A)
半田ごて
半田
有った方が良い物:
ニッパ
半田吸取器
ピンバイス
低融点半田
リード線(ガラス管ヒューズを使用する場合)
ヒューズホルダ(ガラス管ヒューズを使用する場合)
ケースを開けるだけでコントロールポート基板が露出するので部分的な作業は可能になるが、基板自体を外しておいた方が楽になるだろう。
本来的なヒューズ抵抗の交換としては、溶断したヒューズ抵抗を半田ごてで外し(半田付け部が溶け難い場合は、一旦、低融点半田を乗せると、溶け易くなる)、基板穴を半田吸取器(残っている半田を除去する)やピンバイスで掃除(残っている半田を削り取って、穴を貫通させる)し、新しいヒューズ抵抗を半田付けするという手順になる。
しかし、完全に元通りにする必要が無いならば、溶断したヒューズ抵抗の足の付け根付近をニッパで切ってしまい、そこに直接新しいヒューズ抵抗を半田付けしてしまっても良い。
また、ヒューズ抵抗の代わりにガラス管ヒューズを使用しても良いし、交換の必要が再度起きた時のために、ワンタッチ交換が可能なケース付きのヒューズホルダを使っても良い。ヒューズホルダを使った方がヒューズを固定し易いという利点もある。
動作上の話としては、ヒューズを付ける代わりに短絡させてしまっても、コントローラは正常動作するようになる。しかしながら、スパイクではない(コントローラ等の短絡による)過電流が流れた場合、ヒューズが無いと確実にメインボードに障害が起きてしまうので、絶対にやってはならない。
また、この故障の本質的な問題は、ヒューズ抵抗が溶断した原因にある。原因を突き止めなければ、何度も同じ故障を繰り返す可能性がある。
もし、ヒューズ溶断の原因が(スパイクによるものだと)確定出来ない場合は、症状発生時に使っていたコントローラやオプションは、異常(短絡等)が無いと(検査して)確認出来るまでは使用しない等の慎重な対応が必要になる。
時計のバックアップがされない場合
そもそもヒューズ抵抗が溶断している場合や、メインボードとコントロールポート基板を接続しているフラットケーブルが外れていた場合を除いて、内蔵時計がバックアップされない(本体の電源オフ時に時計が初期化される)原因は、コントロールポート上にあるバックアップ電池であるコイン型リチウム二次電池(充電池)の劣化と考えて良い。
バックアップ電池の交換
修理としては、当然、バックアップ電池を交換する事になる。元々の電池は、2020、2032、2430等と直径も厚さもまちまちだが、交換用の電池も同程度の大きさと性能なら何を使っても構わない。
但し、形が同じで入手し易いからと言って、コイン型二酸化マンガン電池(CR系)等の一次電池を代用としてはいけない。一次電池でも、残電容量がある間は時計のバックアップ自体は正常に機能するが、本体の電源が入っている間は充電圧が掛かるため、(確率面では危険性自体はそれほ高くはないものの)過熱、膨張変形、破裂、焼損等の危険があるので、絶対に使用してはいけない。
バックアップ電池はタブにスポット溶接されているが、電池の交換の際に一般ユーザがスポット溶接をするのは考えにくいので、電池の交換方法としては主な物でも何種類かが考えられる。但し、それぞれに特徴(利点、欠点等)があるので、それを考えて選択するように。
いずれの場合も、ケースを開けるだけでも作業は可能だが、コントロールポート基板を外しておいた方が作業し易いだろう。
方法1: タブに磁石で留める方法 (難度:††)
必要な物:
交換用二次電池(3.6V)
小型(ネオジム)磁石 × 2個
ラジオペンチ
有った方が良い物:
半田ごて
半田
電池を磁石で留める方法は、磁石自体が周囲に及ぼす影響が短期的にも長期的にも何とも言及しにくいので、当サイトとしては勧める事はしないが、比較的簡易な方法であるので、念のため記載しておく。
古い電池は、丁寧にタブから外す方法もあるが、それはそこそこの時間と手間が掛かるので、ここでは扱わない事にする。タブから外すには(多少のタブの歪み等を気にしないなら)、ラジオペンチ等を使って(電池側を挟む場合等は、電池の短絡に注意)、電池を無理やり剥がしてしまうのが簡単だろう。剥がし難い場合は、タブの側をラジオペンチ等で巻き取るようにして剥がしても良い。勿論、電池が外れたら、なるべく元の形に近くなるようにタブを直す事。あまりにタブの形が歪んでいると、新しい電池を接続した時に短絡してしまう危険があるので、充分に気を付けるようにする。なお、剥がす際にタブに力が掛かってしまい、基板との半田付け部が心許なくなっている場合は、通電確認や再半田付けもしておく。
タブから古い電池を外した後は、新しい電池をタブの間に挟み、さらにそのタブを両側から磁石で挟み込むだけで終了となる。
方法2: タブに半田付けする方法 (難度:††††)
必要な物:
交換用二次電池(3.6V:可能ならば耐高熱の物)
半田ごて
半田
有った方が良い物:
フラックス
一般に二次電池は高温に弱いため、電池を半田付けしようとする場合、耐高熱の電池でない場合(あるいは、耐高熱の物であったとしても)、かなり手早く作業を行わないと電池が壊れたり劣化したり(変形、破裂等を含む)してしまうので、余程熟練した人でない限り、この方法は勧めない。
手順としては、古い電池をタブから外した後、新しい電池を半田付けするだけだが、電池には半田が乗り難い(剥がれ易い)ので、予めフラックスを塗る等して半田を乗り易くして置いた方が良い。
方法3: タブに導電性ペイントで付ける方法 (難度:†††)
必要な物:
交換用二次電池(3.6V)
導電性ペイント
エポキシ系接着剤
有った方が良い物:
離型紙
洗濯バサミ
テスタ(電圧)
古い電池をタブから外した後、新しい電池のタブとの接触点に導電性ペイントを付けてからタブに挟み、タブと電池に掛かるようにエポキシ系接着剤を塗り、その上に(洗濯バサミが貼り付かないように)離型紙を乗せ、洗濯バサミで接着剤が充分に硬化するまで固定する。この時、洗濯バサミの代わりに金属製のクリップ等で固定しても良いが、その場合は電池が短絡しないように注意する。
固定中や固定後にそれぞれ、半田面の端子間の電圧を計測し、きちんと通電していて、電圧が正常かを確認し、もし、異常がある場合は、接着をやり直さねばならない。
即時紫外線硬化型のレジン等が使える場合は、エポキシ接着剤を使うより短時間で楽に硬化出来るが、その場合も、やや柔軟性のある樹脂の方が、衝撃等に対して強くなる。
方法4: タブごと交換する方法 (難度:††)
必要な物:
3点タブ付き交換用二次電池(3.6V)
半田ごて
半田
有った方が良い物:
半田吸取器
ピンバイス
低融点半田
古い電池をタブごと半田ごてで外し、新しい電池のタブを半田付けするというだけの手順となる。
この方法は、電池交換の作業としては簡単な部類だが、3点タブ付きの二次電池は、意外と入手が難しいかも知れない。
方法5: ホルダ式に交換する方法 (難度:††)
必要な物:
交換用二次電池(3.6V)
3点式電池ホルダ
半田ごて
半田
有った方が良い物:
半田吸取器
ピンバイス
低融点半田
古い電池をタブごと外し、代わりに電池ホルダを半田付けするというだけで、作業も簡単で、部品の入手も容易な方法。
但し、通常、ドリームキャスト用のバックアップ電池は10〜20年程度の寿命があるので、それほど頻繁には交換の必要が無い事を考えると、ホルダの存在(と、そのコスト)自体が冗長に思える事は否めない。
騒音に関する問題
正常な状態のドリームキャストでは、スレッドモータと換気ファンの動作音が気になる程度で、それもそれ程大きい事はない。もし、明らかに大きな音がする場合は、なんらかの異常が存在すると考えられる。
注意しなければならないのは、間違った対処をしてしまうと、効果が無いどころか、正常な部位にまで障害を起こす危険性があるという事だ(ギアの音だと誤認して注油し、内部を汚損してしまうのが典型例)。
原因1:ピニオンギアの割損
スレッドモータの動作毎に「ガーガー」と音がする場合、ピニオンギアが軸穴から裂け、軸との滑りによる振動によって音がしていると考えられる。これ自体はピニオンギアの軸穴径が小さすぎる事と素材のナイロンの柔軟性が乏し過ぎる事が原因だが、スレッドモータの回転の安定性を損なうため、放置すると騒音の問題に留まらず、スレッドモータのブラシの消耗を早める事になるので、極力、早目に対処したほうが良い。
対処法
割損したピニオンギアを修理して使う事はほぼ不可能なので、新しい物と交換する事になる。
割損しているピニオンギアはそもそも簡単に指で外す事が可能だし、交換用ピニオンギアが樹脂製ならば押し込み、金属製なら打ち込み(もっとも、打ち込みに失敗するとスレッドモータ自体を壊してしまうので、注意は必要)という差はあるが、交換作業自体はスレッドモータの交換の手順と大差は無いので、それほど困難な作業ではない。
むしろ、元と同じ規格(穴径φ1.5mm、14歯、0.3モジュール)のピニオンギアを入手する方が厄介かも知れない(意外と扱っている店は少ない)。
一番簡単な入手方法は、他のドリームキャストから流用する方法だが、これ自体は本質的な解決法とはならないだろう。
原因2:ファンの汚れ
本体右手前側面の換気口からする音はファンの動作音だが、「ブーン」という音が大きい場合は、ファンの汚れが原因となっている事もある。
対処法
ケースを開けるだけでファンの掃除は可能。余程の大きさの固形のゴミが詰まっているのでない限りは、乾いた麺棒で埃を擦り取るだけで良い。勿論、要らぬ問題を起こさぬためにも、洗剤の使用や注油はするべきではない。
原因3:ファンとケースの接触
初期版のドリームキャストで、換気口から「ビー」という大きい音がする場合は、ケースやファンの歪みによってファンの回転部とケースが接触している事がある。
対処法
部品交換以外で歪みを直すのは難しいので、簡易な対処方法としては、ケースとファンの距離を離す方法を取る事になる。
ケースを開け、ケース下部とファンのヒートシンク部の間の部分に厚紙等を挟み込み、ケースとファンの回転部が接触しないだけの距離を空けるようにする。この際にも勿論、厚紙がファンの回転部にも接触しないように注意する必要がある。
原因4:コイル鳴き
本体から、モスキート音のような高周波や「リーン」(鈴虫音)、もしくは、「ジジジ」(コオロギ音)という音がする場合は、電源ユニットのコイル鳴きが原因である事がある。
対処法
これも部品交換以外で根本的な改善を望むのは難しいが、コイルの固定剤が緩んでいる場合は樹脂系の接着剤やコーキングで固定する事によって改善される事がある。但し、電源ユニットは高熱になる事があるので、ホットボンド等の熱軟化型の物は使用せず、耐熱型や熱硬化型の物を使用するようにする。
他にも、コイル自体を巻き直すという方法はあるが、手間の面から考えると現実的ではないだろう。
原因5:ディスクの風切り音等
ディスクが回転している時に、その風切り音が聞こえる事があるが、正常な場合、極めて小さい音であり、これが明らかに「ヒューン」等と大きな音が聞こえる場合は、何らかの障害が起きている可能性もある。
仮に音の大きさが気にならない程度であっても、障害としては軽くない可能性があるので、注意すべき問題ではある。
原因の一つは、ディスクに(大小に関わらず)傷が付いていて、それが空気の渦を作って音を立てている場合で、例え浅く小さな傷であっても、ディスク自体は高速で回転しているため、意外と大きな音を立てる可能性がある。
他には、スピンドルモータ軸に対してディスクホルダの取り付け角が歪んでしまっていて、そのためにディスク自体の回転軸も歪んでしまっている可能性もある。この場合は、GDピックアップのフォーカス機能に負担が掛かるため、読み取りの安定度の低下や、GDピックアップやBTLドライバの消耗が早まる原因になる。
これらとは別だが、「シャー」という音がする場合は、やはりディスクホルダの位置が沈下して、ディスクがドライブサーフェースプレートに接触していると考えられ、この場合はディスクに致命的な傷が付く危険性が高いので、早目に対処する必要がある。
対処法
ディスクの傷に関しては、音が気にならないレベルで、かつ、読み込みエラーが起きない程度であれば、無視しても構わないが、ディスクがドライブサーフェースプレートに接触していないか、ディスクホルダが正常な位置/角度にあるかは確認しておいたほうが良い。
ディスクホルダの問題の場合は、当然、ディスクホルダの調整が必要となる。
突発的なリセット等
リセットと言われる症状は、電源投入時の状態、もしくは、ドリームキャストロゴ画面に戻る事を指す。
メニュー画面に戻る症状も同様に俗にリセットと呼ばれる事もあるが、こちらは動作的には全く違う現象で、どちらかと言うとソフトリセットに近く、ディスクの読み取りエラーによって引き起こされる事が殆どであるため、それに準じた対処をすれば良い。
リセットを引き起こす原因は、電源ユニットかメインボードの不良である事が殆どであり、電圧の瞬断/瞬低による場合は次項のような対処が有り得るものの、それ以外の場合は一般ユーザが修理する事は難しく、部品交換によって対処する事になるだろう。
これとは別に、バックアップ電池の極性間違いや、(タブ足の半田付け不良や電池自体の通電状態に起因する)接触不良によってもリセットが起きる事がある。但し、これは通常、改造や修理の履歴が無ければ起きない事であるし、そもそも改造/修理によってそういったミスを起こす事自体があってはならない事だし、むしろ、リセット以上の深刻な異常を引き起こさなかった事自体が幸運とも言える。
電源がすぐ落ちる/電源が入らない場合
電源を入れてもすぐに落ちる(通電LEDが消える)場合、短絡等に対する一時的なフェイルセーフとして電源が落ちていると考えられる。
また、常時電源が入らない場合は電源ユニットの不良も疑われるが、時折電源が入らない場合は、フェイルセーフ後の非機能状態である可能性があり、こうした一時的な症状の場合は、ある程度の時間が経過すれば回復する。
但し、短絡等の根本的な不具合に対処しない限り、同様の症状が繰り返される事になる。
短絡が原因となって症状が起きている場合、その原因箇所はスピンドルモータの短絡によるBTLドライバの焼損である事が殆どだが、簡易的な検査としては、ケースを開けて電源ユニットを取り外さない状態のままドライブマウントを取り外し、その状態で電源を入れてみる方法がある。
この検査で電源が落ちないならば、BTLドライバが焼損していると考えられる。
前向きな改造
所謂『修理』の範疇からは若干外れるが、『維持』の一環として、故障の予防や利便性の向上のための前向きな改造も考えられる。一般に改造自体は、メーカのサポート対象外になる等の不利益な面もあるが、ドリームキャストに関しては既にメーカのサポートが打ち切られているため、改造する事自体へのハードルは下がっているとも言える。
モータ短絡時のBTLドライバ焼損防止ヒューズ付加
スピンドルモータやスレッドモータはブラシ式モータのため、遅かれ早かれ(寿命のため)ブラシの破損を起こすので、短絡を起こす可能性が高い。一度それが起こると、BTLドライバの焼損に直結するので、それを防ぐために過電流防止用のヒューズを挟む事が考ええられる。
作業としては比較的簡単で、モータに繋がるリード線のいずれかを切断して引き出し、そこにヒューズを挟むだけになる。引き出すリード線が充分に長ければ(もしくは、リード線を延長して充分に長くすれば)、ヒューズの設置場所はある程度自由が利く。ドライブマウントの右手前部等にも設置可能だが、金属部の上に設置する場合はしっかりと絶縁をしておかねばならない。
モータのブラシレス化
そもそも、耐久力が必要なゲーム機のCDドライブにブラシ式モータを使っている時点で、無茶なコストカット(つまりは意図的設計ミス)と言えるのだが、それをブラシレスモータに代えてしまおうという考えも当然出てくる。
実際にブラシレスモータにするとなると、2端子の物ならともかく、そうでないなら制御基板を置く場所が問題となる。
光学ドライブレス化
ドリームキャストの故障原因の殆どがGDドライブとその関連箇所である事から、それ自体を代替品に交換してしまおうという発想は、稼働率を上げようと考えるなら当然の事だと考えられる。
しかしながら、その具体策の一つである(記録媒体としてフラッシュメモリやHDDを使用する)GDドライブエミュレーション基板に関しては、所謂『改造』には当たらない(どちらかと言えば、単なる『換装』である)上、このサイトのトップにも書かれている通りグレーゾーン〜違法行為に関わる案件であるため、ここでは扱わない。
バックアップ電池の大容量化
ドリームキャストを日常的に使っていても、稀に長期間電源を入れない事があると時計のバックアップが切れてしまい、その度に時計合わせをしなければならなくなる。こうした事態を減少させるため、より長期間バックアップを保持するため、バックアップ電池を大容量の物に交換する事も考えられる。
作業自体はバックアップ電池の交換と同じだが、新しくする電池の形状に関しては、ちゃんとケース内に収まるように気をつける必要がある。同じコイン型の電池の場合でも厚さが違うと、タブが反対極に接触してしまって短絡する危険もあるので、絶縁はしっかりしておかなければならない。
勿論、使う電池はキャパシタとして使用できるものに限り、制御基板が必要な電池は使用してはいけない。